「時間は有限、挑戦を」 国連職員・仲村さん 中城中で特別授業 夢実現への道のり語る


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 【中城】中城中学校は2日、国連職員として6月からニューヨークで働く仲村秀一朗さん(34)=中城村出身=を招いた特別授業を開いた。米軍基地内での消防士や国際金融機関の米州開発銀行での勤務など多彩な経歴を持つ仲村さん。「時間は有限なので、やりたいことはすぐにトライしてほしい」と生徒たちに語りかけた。

生徒たちに挑戦の大切さを語る仲村秀一朗さん=2日、中城村の中城中学校

 中学2年時に、酒におぼれた父親との口論が絶えなかった母親が家を飛び出した。その際に「自立しなければいけない」と強く感じたという。高校で国連の存在を知り、いつかは国連で働くことを決意した。その後、沖縄キリスト教学院大学に進学。3年時には基地内の消防で働くことが決まり、約8年従事した。その間、父の死にも直面した。

 父の死は「誰かを助けることがしたい」という国連職員への夢を強くした。海外での勤務経験や修士号の取得など、国連職員として必要な資格を満たすため、通信大学に通い修士号を取得し、2017年には海外協力隊としてジャマイカに渡った。

 生徒から「どうしてそんなに頑張ることができたのか」「つらい経験から命を絶とうと思ったことはないのか」と問われ「周囲の支えが大きかった。世界の人のために自分ができることをしたい気持ちも大きかった」と振り返る。

 今後はニューヨークでの勤務をこなしながら、年に1回は沖縄に戻り、地域との交流も考えているという。「目標があるなら、まずは勇気を出してみて」と熱く語った。

(新垣若菜)