体験者取材しリアルに 作者仲本さんトークイベント 「マンガで伝える沖縄戦」


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トークイベントに登壇する琉球新報社の小那覇安剛編集委員(左)と同デザイン班の仲本文子さん(中央)、戦争体験者の安里清榮さん=11日、那覇市のジュンク堂書店(又吉康秀撮影)

 沖縄戦体験者の証言を漫画や図解で紹介する「マンガで伝える沖縄戦上巻・下巻」(琉球新報社刊)の発刊を記念したトークイベントが11日、那覇市のジュンク堂書店那覇店で開かれた。作者の琉球新報社編集局デザイン班・仲本文子さんと監修を務めた小那覇安剛編集委員、戦争体験者の安里清榮さんが登壇した。

 仲本さんは、沖縄戦の資料を読んだり、実際に体験者に取材したりして沖縄戦を漫画にした。「どういう服装や髪型だったのか」など体験者を絵で表現する上で細部にこだわった。文字を使わず絵で伝えることを心がけたという。

 本書で戦争体験が紹介されている安里さんは防空壕に避難していた際、壕に砲弾が当たり、一緒にいた両親と弟を亡くした。米兵に「拾われて」孤児収容所に入ったと話す安里さん。「感覚的に言葉を選んで『拾われて』と表現した。『助け出された』『保護された』とは思えなかった。漫画では『拾い出され』と記されていて、言葉選びがちゃんとしている」と語った。

 (狩俣悠喜)