防衛局「移植は順調」 辺野古サンゴ壊死 環境監視委、指導せず


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協議に臨む「環境監視等委員会」委員ら=13日、那覇セントラルホテル

 沖縄防衛局は13日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事に関して有識者が助言する「環境監視等委員会」を那覇市内で開いた。建設現場周辺海域に移植したサンゴの一部が壊死(えし)した可能性についての報道を巡って、同局は「移植は順調な状況と確認している」と委員らに報告した。この件に関して、委員からの指導・助言はなかった。

 サンゴ壊死の可能性については共同通信が海底の様子を撮影して報じ、本紙は12日付紙面に掲載した。該当するサンゴは昨年7~8月に移植されたものとみられる。会議は冒頭を除いて非公開で開かれ、中村由行委員長らが終了後に記者ブリーフィングで会議の概要を説明した。

 中村氏によると、防衛局と委員の間で移植するサンゴに「もともと一部白化しているという個体も含む」との見解を確認した。サンゴ壊死の事実関係については「(防衛局は)報道の写真が移植対象のどのものか分からないということで、委員としてもそれ以上の確認はできないということだ」と説明した。「報道を受けて、特段新しいことをしないといけないという指導・助言事項はなかった」と強調した。

 この日の委員会では周辺海域などの台風時・降雨時の水の濁りについても報告があった。委員からは水の濁りの調査について、降雨時も台風時と同様の広範囲の状況を踏まえて考察するよう指導・助言があった。 (塚崎昇平)