那覇、待機児童23人 前年比14人減 保育士確保へ新規事業


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那覇市役所

 【那覇】沖縄県那覇市の認可保育園などに入れない4月1日時点の待機児童は、前年比14人減の23人だった。市の担当者は「できれば待機児童ゼロにしたかった。達成できなかったのは、保育士不足で定員通りの受け入れができていないことが大きな要因」としている。市は保育士不足を解消するため、保育士の業務負担軽減を図る二つの新規事業を市議会6月定例会に提案している。

 入所申し込みは前年比326人減の1万1082人で、2年連続で減少した。市によると、少子化の影響のほか、コロナ禍で働き口が減るなどして家庭保育をする人が増えた可能性がある。

 市内の認可保育園、認定こども園、地域型保育事業所は計157施設。このうち39施設で計68人の保育士が不足し、定員通りの受け入れができていない。

 議会に提案している新規事業は、保育業務へのICT(情報通信技術)導入費の補助と、1歳児クラスの保育士を国の基準より多く配置した園の人件費補助を予定している。

 那覇市の待機児童のピークは2016年度の559人。市は公立幼稚園を保育園と一体化した認定こども園にするなど、施設と定員を増やしてきた。保育士確保策としては、新卒保育士や勤務を継続している保育士への祝い金給付、県外の保育士が市内で就職活動をする際の交通費補助などに取り組んでいる。
 (伊佐尚記)