【深掘り】那覇市長選へ議論過熱 与野党、知念副市長の去就を注視


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粟国彰氏の質問に答える(左から)知念覚副市長、城間幹子市長=14日、那覇市議会議場

 10月23日投開票の那覇市長選に向け、市議会で候補者擁立を巡る論戦が過熱している。自民党会派が同党の候補者選考委員会に知念覚副市長を推薦する方針を示していることや城間幹子市長の発言を受け、7~14日の代表質問.一般質問では城間氏と知念氏の政治姿勢や見解を問う質問が相次いだ。自民内では知念氏を推す方針について温度差も垣間見える。

 自民の奥間亮氏は7日、城間氏から次期市長選候補を支援する際、辺野古新基地建設問題に関して「政治姿勢はことさら問わない」との答弁を引き出した。奥間氏は答弁を評価したが、自民の粟国彰氏は14日、「変節だ」と批判。「知念氏も同じ考えか」と質問した。知念氏は「副市長の立場は市長をサポートすると決められている。市長の考えは誰よりも深く理解し、今回の発言も尊重する」と述べた。

 自民会派は知念氏を「那覇軍港の浦添移設をリードした」と評価するが、選挙で辺野古問題をどう扱うかについては意見がまとまっていない。奥間氏が「那覇のことに専念し、辺野古に言及する必要はない」とする一方、粟国氏は「辺野古に触れずに出馬するのはあり得ない。知念氏が辺野古を容認しないなら推せない」と強調した。

 一方、与党の古堅茂治氏(共産)は14日、オール沖縄以外からの知念氏擁立の動きを念頭に「分断策だ」とけん制。「翁長雄志前知事は県民への分断策を批判し、大同団結を呼び掛けた」と引き合いに出し、城間氏に「保革を超えて力を合わせよう。腹八分、腹六分で大同団結して頑張ろう」と呼び掛けた。

 与党も近く候補者選考委員会を立ち上げる予定で、中には知念氏を推す声もある。与野党双方の選考の行方と知念氏本人の意向が注目される。
 (伊佐尚記)