米軍、先島諸島に関心高める 沖縄の新たな場所での訓練に意欲 在沖米軍トップ


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インタビューに答える在沖縄米軍トップのジェームズ・ビアマン沖縄地域調整官

 在沖米軍トップのジェームズ・ビアマン沖縄地域調整官(中将)が15日までに、うるま市のキャンプ・コートニーで共同通信の単独インタビューに応じた。日本周辺で活動を活発化させる中国を念頭に、先島諸島を含む沖縄の新たな場所での訓練に意欲を示し「自衛隊と緊密に連携している」と強調した。

 また「日米同盟は地域の抑止力の基盤」として「信頼できる軍事力があるというメッセージを中国に持続的に送っている」とも語った。

 在沖米海兵隊の幹部は4月、石垣市の防災訓練を視察。米海兵隊は近年、小規模部隊を離島に分散展開させ、偵察や攻撃の拠点とする「遠征前方基地作戦(EABO)」の練度向上を図っており、先島諸島への関心を高めているとみられる。

 ビアマン氏は「(沖縄県民の)敏感な感情は認識している。われわれは即応性とのバランスを取らなければならない。連携を密にしている自衛隊が日本政府や地元自治体との接点となる」と述べた。

 インタビューでは、ロシアのウクライナ侵攻にも言及。「大きな教訓は、侵攻は代償を払うということだ。信頼できる軍事力を訓練などで示し、敵の行動を抑止しなければならない」と話した。

 海兵隊のバーガー司令官が示した「戦力デザイン2030」に基づく海兵隊の近代化にも触れ「自衛隊も進化の時期を迎えている。互いに学び合うため、数多くの機会がある」と指摘。次回の日米共同統合演習「キーン・ソード」に向け、自衛隊と協議を進める考えを明らかにした。