ひめゆりが伝える体験者の戦後の思い コロナ禍も支援相次ぐ 祈念資料館の古賀さん講演


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講演する古賀徳子さん=15日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(小川昌宏撮影)

 第96期「新報女性サロン」第6回講座が15日、那覇市の琉球新報ホールで開かれ、ひめゆり平和祈念資料館学芸課長の古賀徳子さんが「戦争体験を未来につなぐ~ひめゆりの次世代継承」を題に講演した。友人を亡くすなどのつらい経験から「戦争のことは忘れたいと思っていた人たちが、もう一度自分の体験に向き合い、友人のためにも伝えなければという思いで活動したものだ」と証言の重要性を強調し、継承する大切さを訴えた。

 古賀さんは継承について、戦時中の出来事を学ぶだけではなく「戦争の恐ろしさや、戦争を二度としてほしくないといった体験者の戦後の思いを受け取り、伝えることだ」と述べた。

 コロナ禍で入館者数は5分の1に減少した。窮状を知った県内外の人から多額の寄付が寄せられ、昨年度は約8500万円が集まった。地元スポーツクラブの児童らが1万円を募金するなど支援が相次いでいる。

 ロシアのウクライナ侵攻を契機に「自分に何ができるか考えたい」とメッセージを寄せる来館者も相次いでいるといい、「たくさんの人が戦争は駄目だと思っている。この思いを伝えていきたい」と話した。
 (知念征尚)