「国交相が権限乱用」 辺野古不承認取り消し 沖縄県、係争委に意見書


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名護市辺野古の新基地建設工事現場

 名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局による軟弱地盤改良工事を含む設計変更を巡り、県が不承認とした処分を斉藤鉄夫国土交通相が取り消した裁決を不服として国地方係争処理委員会に申し出ていた件で、県は16日、係争委に意見書を提出した。裁決は「国交相が権限を乱用しており無効」などと主張した。

 県の意見書は国交相が8日に係争委に提出した意見書に反論する内容になっている。県の意見書によると、国交相側は「審査請求人と審査庁のいずれも国の機関になることは、行政不服審査制度上予定されている」などとし、県側の主張に反論している。

 県は意見書で、辺野古新基地建設を巡って、これまでも行政不服審査法に基づく審査請求で国が県側の対抗策を封じてきた経緯を説明する。審査請求で県の措置に不服を申し立てる沖縄防衛局と、それに応じる国交相などの関係性について「その時々に政府にとって都合よく手続きを乱用している」と批判した。県は防衛局が審査請求を用いた不適法性も主張した。

 係争委は双方の意見書を踏まえて再度会合を開き、8月8日までに結論を出す。 (塚崎昇平)