【浦添】県女性の翼の2022年度第1回「研修・翼講座」が11日、浦添市のハーモニーセンターで開催された。「ヤングケアラーってなんだろう。ジェンダーの視点から若者から大人ケアを見つめる」をテーマに、沖縄NGOセンターの玉城直美代表理事が講師を務めた。参加した女性たちがヤングケアラーについて学ぶだけでなく、自らも家庭や社会で誰かのケアを背負っていることを見つめ直し、自身を癒やす機会とした。
ヤングケアラーとは一般的に、本来なら大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的にしている子どもを指す。玉城さんは県内のヤングケアラーの状況やイギリスの先進的な支援策、子どもに限らず全世代の「ケアラーが孤立しない社会の実現を目指す」とした「ケアラー支援埼玉県宣言」などについて紹介した。
参加者は複数のグループに分かれ、ヤングケアラーについて感じることや、介護など自身が担っているケアについて話し合った。「女性は誰もが(家庭や社会で)ケアラーになっているかもしれない」などの意見があった。
課題解決のために取り組みたいことも議論し、「子どもたちが将来に希望を持てるように学校で出前講座をする」といったアイデアが出た。
最後に、自分が感謝されたい人からの感謝状を自分で書き、隣の人と交換して読み合った。
玉城さんはジェンダーの不平等に触れ「ヤングケアラーの課題解決で最初にできることは、頑張っているのに認められない自分に向き合うことだ。こんなに素晴らしいことをやっている皆さんなら、きっとできる。意識から変えてもらえたらいい」と話した。
(伊佐尚記)