名護の宮城が3000m障害制す 驚異の急成長で強敵抑える 全九州高校体育大会


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粘り強い走りで優勝した名護の宮城新来(4)と4位に入った北山の金武凌世(3)=19日、沖縄市陸上競技場(喜瀬守昭撮影)

 全九州高校体育大会は19日、各地で19競技を行った。重量挙げ女子59キロ級の比嘉成(本部)がスナッチで日高新の89キロを成功させ、トータル188キロで優勝した。男子89キロ級の造倉翼(糸満)はトータル248キロで制した。陸上の南九州地区予選大会では男子200メートルの平川慧(コザ)が21秒52で優勝し、同円盤投げの照屋瑠亜(那覇西)が45メートル09で頂点に立っていずれも2冠を達成した。同3000メートル障害決勝は宮城新来(名護)が9分22秒75で栄冠を手にした。なぎなたは団体試合で首里が2―1大分西を下し優勝を飾った。個人試合では泉水ほのか(首里)が準優勝した。自転車の男子スプリントは謝花勇哉(沖縄工)が制した。カヌー競技の男子カナディアンシングル500メートル決勝で山城翔(沖縄水産)が準優勝だった。

 男子3000メートル障害で、急成長のダークホースが観客の度肝を抜いた。競技歴が半年にも満たない宮城新来(名護3年)が九州の並み居る強敵を抑え、9分22秒75で初制覇を果たした。県総体の9分36秒85から記録を伸ばした。

 残り600メートルでスパートをかけた。最後の障害物を越えた時に「足に疲れがきて、着地がうまくいかずに膝ががくんとなった」。残る力を振り絞り「最後は負けるもんかという根性だった」と、そのままトップでゴールした。

 5000メートルも出場したが「他の九州勢に圧倒された」と13位に終わり、その悔しさをぶつけての頂点だった。「トップに食らいついていくのが持ち味。いい感じのペース配分で走れた」と充実の表情を見せた。

 今年1月にサッカー部から転部する形で駅伝部へ入った。駅伝シーズンはすぐに終わり、トラック競技へとシフトした。急成長の理由は体幹トレーニングで、朝と午後の練習前などに自主的に取り入れた。体の効率的な動かし方を常にイメージし、結果へつなげた。全国へ向け「強豪とも渡り合えるように、もっと記録を伸ばしていきたい」と貪欲さを見せた。
 (大城三太)