「ナンバンギセル」地上に ススキなどに寄生


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地上に姿を現した「ナンバンギセル」=名護

 【名護】市内の山地にススキなどの根に寄生するナンバンギセルがひょっこり地上に姿を現した。

 葉緑素を持たないため、自分で光合成をして成長することができない。花を見た村山典子さん(宜野湾市在)は「形がかわいいし、ほんとにキセルのよう」とじっと見詰めていた。名前はパイプに似ていることから付いた。
 別名「思い草」。万葉集に「道の辺の尾花がもとの思い草 いまさらに何をか思はむ」と詠む。尾花はススキ。意味は道端に生えるススキだけを頼りに生きているのですから、いまさら何一つ考えることはありません―。
 ハマウツボ科。分布は日本、中国、東南アジアなど。うちなーぐちで「マヤーヌタバク」。(幸地光男通信員)