求ム!教員経験者 志願者4年で1000人減 沖縄県教委、「特別選考」実施も周知課題


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 県内の公立小中高校や特別支援学校などの教員志望者を対象にした県公立学校教員候補者選考試験の志願者が減っている。本年度志願者は前年度比321人減の2869人。2018年度からはおよそ千人の減少で、県教育委員会は本年度から新たな特別選考を導入するなど、人材確保を急いでいる。

 新たな特別選考は(1)県内で教諭経験のある県正規任用教諭経験者(2)他都道府県の現職正規任用教諭―が対象。いずれも小学校教諭の選考で、該当すれば筆記試験が免除され、1次試験は書類選考となる。

 (1)は県内公立小の正規任用教諭として通算3年以上の勤務経験があり、2012年3月末以降に介護・育児・配偶者の転勤などを理由に退職した人が対象。(2)は県外の公立小に務め、通算5年以上の勤務経験がある現職の正規任用教諭が対象となる。

 県教委は今年3月に選考試験の実施要項を公表し、特別選考の詳細を示した。ただ、4月の願書受付期限までに周知が進まず、本年度志願者は県内の教諭経験者がゼロ、他都道府県の現職教諭は8人だった。

 選考試験の志願状況が報告された9日の教育委員会会議で、委員は「教員不足は喫緊の課題。鋭意取り組んでもらいたい」「素晴らしいアイデア」と新たな特別選考の導入を評価。一方で「他の地域から教員を引き抜く形になる。他都道府県と連携をして制度を進めてもらいたい」と求める意見もあった。

 学校人事課の担当者は、特別選考の周知徹底や県内大学で実施する説明会の充実を図る方針を示し「教員の働く環境の改善も進めていきたい」と話した。
 (吉田早希)