首里東が逃げ切る 1年の玉寄が好投、7回1失点 夏季高校野球沖縄大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 第104回全国高校野球選手権沖縄大会の第5日は25日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇などで残りの1回戦7試合を行った。

 西原は12―2(五回コールド)で向陽に勝利した。八重山農林は延長十回の末5―4で本部に競り勝った。美里工は10―2(七回コールド)で浦添商を退けた。

 読谷は久米島・南部商との接戦を2―1で制した。名護は6―0で美里に勝った。北谷は初陣のエナジックを6―4で下した。首里東は5―3で石川から白星を挙げた。

 26日は2回戦7試合が行われる。春季大会覇者でシードの沖縄水産が登場する。


1年・玉寄 7回1失点 強心臓、緊張より「わくわく」

 首里東の左サイド玉寄暉東(あきと)が1年生ながら先発し、7回を投げて1失点と好投した。緊張よりも「わくわくが勝っていた」という強心臓で、内角を積極的に攻めてゴロに打ち取った。攻守は多和田令晃(でゅーく)主将ら先輩が体を張ってもり立て、しばらく初戦敗退続きだったチームは勝利の余韻に酔いしれた。
 

粘り強い投球で石川打線を抑えた首里東の先発・玉寄暉東=25日、沖縄セルラースタジアム那覇(大城直也撮影)

 嘉数中3年の頃から、角度を付けてサイドスローになったという玉寄。「スピードも切れもよくなった」といい、さらにトルネード投法で「球が重くなった」と分析する。直球は110キロ台と速くはないが、制球力を武器に打者を詰まらせる投球を心掛ける。

 四回2死から連続安打で1点を先制されるが、後ろで守る先輩たちから「打たれてもいい。次に(自分たちが点を)倍取るから」と励まされた。なお三塁のピンチだったが「気持ちが楽になった」投球で、後続は邪飛に打ち取った。直後の攻撃は、多和田や池宮城慶一郎の安打などで逆転。その後の回も多和田らが要所で安打を放って加点した。

 3安打2打点の活躍だった多和田は「自分が(きょうの)キーマンかな」と白い歯を見せたが、勝利の要因を「玉寄のおかげ」と評価も忘れなかった。

(金良孝矢)