復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉6月27日「革新、県議会も制する」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」直後の1972年6月27日の琉球新報1面トップは、「革新、県議会も制する/新勢力分野、革新23―保守21に/屋良氏は7万票差/社大11人全員当選/自民に手痛い打撃」との見出しで、屋良朝苗氏の知事選当選と県議会での革新勢力の過半数越えを伝えている。選管最終の知事選の得票数として、屋良氏は25万1230票、大田政作氏は17万7780票だった結果も表組みで掲載している。

 両選挙の結果を受けた両陣営の声明も紹介しており、革新共闘は「知事ささえる体制が確立」、自民は「今後も地道な努力重ねる」と発表している。

 さらに県議選での社大党と人民党の躍進ぶりを別稿で紹介している。見出しは「社大、人民が躍進/自民、地すべり的な敗北」と保革の明暗を伝えている。

 知事選の結果を受けて、新知事に求められることとして「経済的課題に比重/新知事の課題/復帰処理と県づくりへ」と見通しを示す解説記事も掲載している。

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。