介護も文化も学びたい ミャンマーの実習生5人、浦添で初の受け入れ


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ミャンマーから技能実習生として来日した(前列左から)メイ・トゥ・キンさん、ピュー・ピャー・ウインさん、アーカイン・チーさん、キン・プー・プィン・ゾーさん、ユパ・ヤミン・マウンさん=10日、浦添市役所

 【浦添】ミャンマーから介護技能実習生5人が来日し、6月から浦添市内の介護施設で働いている。在留期間は3年を予定し、5人は1年後の介護試験に挑戦する。浦添での介護技能実習生の受け入れは初めて。当初は2年前の2020年に来日する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となった。5人は今月10日、浦添市役所に松本哲治市長を訪ね、沖縄での抱負を語った。

 実習生の受け入れは市内の福祉関係の企業、団体で構成する市介護人材サポート事業連絡協議会が窓口となり、5人は現在、協議会の会員でもあるNPO法人ライフサポートてだこ、社会医療法人仁愛会、医療法人太陽会が運営する介護施設で働いている。

 連絡協議会は2018年12月に慢性的な人手不足に陥っている介護業界の人材育成や確保などを目的に結成した。同協議会の友寄利津子会長は「会員同士が協力し、悩みや情報を共有することでトラブルなどが起こらないよう対応する」と話した。友寄さんによると、平均年齢が低いミャンマーでは「介護職」という概念が浸透しておらず、実習生の5人はいずれも介護職に就くのは初めて。

 技能実習生の受け入れを受け、浦添市は市外国人介護人材受入れ事業補助金として、1人当たり年12万円を各事業所に交付する。交付金の支給は3年間を予定している。

 市役所を訪れたキン・プー・プィン・ゾーさん(30)は「沖縄に来るのは初めてだが、周りの人はみんな優しくてうれしい。まだ、分からないことが多いが、きちんと教えてくれる。いまは毎日が面白い」と語った。

 アーカイン・チーさん(35)は「初めての介護職だが、毎日が楽しい。日本語も早く上達したい。施設のおばあちゃんとおじいちゃんから沖縄の方言を教えてもらうことが楽しい」と語った。
 (吉田健一)