沖縄食糧、県産米でスキンケア 自社ブランド「マイククル」設立 女性社員が開発、紫外線対策に


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スキンケア用品をPRする沖縄食糧の中村徹社長(中央)と開発を手がけた営業部営業課の川平いずみ氏(左)、総務部総務課の田幸亜樹子氏(右)=27日、那覇市泉崎の琉球新報社

 米穀流通県内最大手の沖縄食糧(浦添市、中村徹社長)は新規事業として、県産米を使ったスキンケア商品の販売を発表した。女性社員5人による開発チームが検討を重ね、オリジナルブランド「mycucuru(米(まい)くくる)」を立ち上げ、泡洗顔フォームと化粧水を完成させた。石垣島産の米ぬかエキスに西表島産の黒米発酵液、久米島産の海洋深層水をはじめとした県産の天然素材を原料に用い、日差しの強い沖縄での紫外線ケアをサポートする商品としてPRしている。

 米消費を広げる新たな可能性や経営多角化を模索する中、精米時に発生する米ぬかを使用したスキンケア商品を作れないかと社員から直接の提案があった。提案した社員ら女性5人でチームを結成して2021年6月から開発に取り組んだ。

(右から)mycucuruの洗顔フォーム2種と化粧水、スペシャルボックス

 これまで脱脂後の米ぬかは畜産飼料として使用していたが、スキンケア製品として利用することで付加価値を付けることを目指した。泡のもっちり感を出すために試作を10回繰り返すなど試行錯誤し、今年5月に商品の完成に至った。

 製造はポイントピュール(久米島、大道敦社長)が引き受け、今月中旬に販売を開始した。

 ブランド名は「米」と英語の「私(my)」と掛け合わせ、お米に携わる人々の思いと沖縄の心を表現した。原料に県産品を活用することで沖縄の産業発展に寄与すると共に、SDGs(持続可能な開発目標)も意識した取り組みとなる。

 泡洗顔のさっぱりタイプとしっとりタイプ(どちらも150ミリリットル、税込み2180円)、化粧水の美容ミスト(100ミリリットル、1980円)のほか、泡洗顔と美容ミストがセットになったスペシャルボックス(2420円)も用意した。

 中村社長は「県産品を広めたい思いで作った商品を、一度手に取ってほしい。幅広い世代で男性にもお勧めしたい」とPRした。

 県内だけでなく県外や外国人観光客への販売も目指し、販売先の開拓に取り組んでいる。購入の問い合わせは(電話)098(877)2323まで。 (與那覇智早)