ムラツチ氏、米予備選を首位で通過 那覇で生まれ、沖縄の基地負担に心痛め カリフォルニア州下院


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ムラツチ議員(左)が「恩師にも似た感情を抱いた」というノーマン・ミネタ氏(右)(ムラツチ氏のフェイスブックより)

 米カリフォルニア州下院議員(民主党)のアル・ムラツチ氏が、6月14日のプライマリー選挙(予備選)で、共和党の候補に大差をつけて1位で通過した。11月の本選で決選投票を行う。2012年に初当選し、14年を除いて22年までの5回、下院議員に選ばれたことになる。バイデン大統領やハリス副大統領、オバマ元大統領、ヒラリー・クリントン元大統領夫人など民主党の重鎮とも親交を深めている。

 ムラツチ氏は、岐阜県系2世の父親が米軍行政官として嘉手納基地に赴任中の1964年に、那覇で生まれた。沖縄市長を務めた東門美津子さんは高校時代の恩師。父親は高齢だが現在も元気で、たまに二人でゴルフを楽しんでいるという。ムラツチ氏はカリフォルニア大学バークレー校を卒業し、同大学ロサンゼルス校(UCLA)で法律を学んだ。

 沖縄の日本復帰から50年が過ぎるが、県民が今も変わらず米軍基地の負担に悩んでいることも心が痛むと感じているという。

 5月3日に亡くなった元米運輸長官ノーマン・ミネタ氏とは、カリフォルニア州選出の下院議員、日系人の下院議員としていろいろ指導を受けた。「アンクル・ノーム(ノーム叔父さん)」と呼んで親しみ、哀悼の意を表し別れを惜しんだ。
 (当銘貞夫ロサンゼルス通信員)