名護が延長戦を制す タイブレークの十三回、相手の乱れを突く 夏季高校野球沖縄大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 第104回全国高校野球選手権沖縄大会第8日は4日、沖縄セルラースタジアム那覇とコザしんきんスタジアムで残りの2回戦5試合を行い、16強が出そろった。小禄は9―2の七回コールドで那覇国際に勝利した。豊見城は知念に4―3で競り勝った。首里は開邦・真和志・辺土名・浦添工の連合チームを19―0の五回コールドで退けた。名護は読谷と延長十三回タイブレークの末、5―3で逃げ切った。北谷は8―1で首里東を破った。第9日は9日、3回戦8試合を行い8強が決まる。

読谷―名護 延長10回1死二塁、同点の中前適時打を放つ名護の宮城聡真=4日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(ジャン松元撮影)

 延長十三回から適用されたタイブレークで、水を得た魚のように生き生きとプレーした名護が読谷を退けた。無死一、二塁から始まるルールで、バントを駆使し相手バッテリーの乱れも突いて3点を奪った。

 先頭打者として犠打を成功させた宮城聡真主将は「タイブレークを想定した練習をきっちりやっていたので、みんな自信を持ってプレーできた」と晴れやかな表情だった。第1打席から3打席連続三振と振るわなかったが、延長十回の第4打席に大役を果たした。1死二塁で中前への適時打を放ち、逆転となる1点をたぐり寄せた。1人で投げ抜いた比嘉良多も勝利の立役者だった。「勝てて気持ちよかった。変化球を織り交ぜ、ピンチの時は直球勝負でしのいだ」と最後まで粘投した。

 當銘樹監督は「六回をめどに交代を考えていたが、予想以上にいい内容で最後まで投げてもらった。これまで最後に打たれて負ける試合が多かったが、殻を破ってくれた」とたたえた。

 実力が伯仲する接戦を制し「(劣勢でも)我慢して戦えるチーム。一人一人が100%以上の力を出し切ってくれた」と選手を誇った。
 (大城三太)