「多大な尽力」「信念の基で論戦」「発展に貢献」沖縄の政財界から悔やむ声 安倍元首相銃撃・死亡


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
安倍晋三首相(左から4人目)に決議を手渡す、自民党沖縄振興調査会の小渕優子会長(同3人目)や、宮腰光寛前沖縄担当相(同2人目)ら=2019年、首相官邸

 国会議員時代から20年以上にわたり、安倍晋三氏と親交がある元自民党参院議員の西銘順志郎氏は「本当に残念だ。言葉にならない」と声を落とした。多岐にわたる話を交わした席上で、「(沖縄)県民に嫌われているんじゃないかな」とも口にしたという。

 自民党内で安倍氏と同じ派閥だった元衆院議員の嘉数知賢氏は「日本でこうしたことが起き、全国民がショックを受けていると思う」と話した。

 「沖縄は難しい」と語っていたという安倍氏に、「日米に挟まれた沖縄の立場に悩んでいたのだろう」と思いを寄せる。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の設立に強い思いを持っていたと振り返り、「気さくな人柄だった。ご冥福をお祈りしたい」と悼んだ。

 2019年まで参院議員として活動した糸数慶子氏は、国政野党の一員として安倍政権と対峙(たいじ)してきたが、「政治を志して同じ国政の場で活動した者として本当に残念だ。何度も辺野古の問題で論戦を交わしたが、互いの政治信念に基づいた活動だ。心からお悔やみ申し上げる」と述べた。

 米軍普天間飛行場の負担軽減推進会議などで頻繁に安倍氏と会談していた前宜野湾市長の佐喜真淳氏は、「西普天間住宅地区の返還など沖縄に多大な尽力をしていただいた」と声を落とした。

(池田哲平)


「県発展に貢献」 沖縄県経済界関係者
 

 安倍晋三元首相の死去を受け、安倍氏と知己のある県内経済人は功績をしのぶ声を寄せた。県経済団体会議の石嶺伝一郎議長は「ご無事であられることを願っていたが、このような悲しい結果となってしまい言葉が見つからない」とコメントした。

 安倍政権下に沖縄観光コンベンションビューロー会長を務めた平良朝敬かりゆしグループオーナー会長は那覇空港第2滑走路の完成などを挙げ、「沖縄の経済発展に尽力してもらった」と感謝した。

(小波津智也まとめ)