金武町伊芸区での被弾事故16件が未解決 「銃弾」発見の民家敷地では米軍の照明弾落下も


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割れたガラスを視察する伊芸区の行政委員=8日夜、金武町伊芸

 【金武】金武町伊芸区がこれまで区内で確認し、記録した被弾事故が1956年から2013年までに27件あり、そのうち少なくとも16件は原因究明ができていないことが10日までに分かった。被弾は7日に銃弾のような物が見つかった宅地周辺に集中している。1966年には今回と同じ民家の敷地で夜間演習による照明弾が落下し、米軍関係者が陳謝していた。

 被弾事故は複数発の事例もあり、同区がこれまでに記録した被弾の数などは46発に上る。2013年に同区が発行した「伊芸区と米軍基地」などによると、少なくとも16件の原因究明ができなかった。08年に住宅地駐車場でナンバープレートを貫通した事件では、銃弾が米軍が使用する物と同じだとの鑑定結果が県警から出たものの、米軍は関与を否定した。

 今回銃弾のような物が見つかった民家の周辺では、過去に半径50メートル以内で7カ所が被弾しており、ほかにも半径50メートル以内に6カ所集中している一帯があった。区は米軍演習によるものとみており、安富祖稔区長は今回の件について、山を挟んでこの地域の方角に銃口が向く恩納村側からの流弾の可能性もあるとの見方を示した。安富祖区長は「演習場に欠陥があると認めることになるから認めないのだろうが、真相究明を求めたい」としている。 
(増田健太)