FC琉球、後半追いつきドロー 仙台に1-1 チームの歯車、徐々にかみ合い始める


社会
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FC琉球―仙台 後半、パスを出す琉球の阿部拓馬(右)=10日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(小川昌宏撮影)

 サッカー明治安田J2第26節の10日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでベガルタ仙台と対戦し1―1で引き分けた。前半は立ち上がりに先制点を奪われた。終盤にPKの判定を受けたが、GKダニー・カルバハルが防いで0―1で折り返した。後半は序盤に中野克哉の得点で追い付いた。通算成績は4勝15敗7分けで勝ち点19、順位は最下位の22位のまま。

 次戦は17日、同スタジアムで大宮アルディージャと対戦する。

 シーズン終盤を迎える時期にチームのスタイルに変化を加えるという大きな壁が立ちはだかるが、チームの歯車が徐々にかみ合い始めている。

 FC琉球は昇格争いをする仙台に対し、各選手が持ち味を発揮、何度も見せ場をつくった。先発の阿部拓馬は前線のポストプレーでの巧みなボールキープを見せ、ためをつくってのスルーパスなど攻めの起点となった。

 「1人じゃ何もできないが、選手それぞれが持つ特長をかけ算していけるようなプレーができればいい」と、けがからの復帰を経て秘めた闘志を燃やす。チームが降格の危機にある中、「背中でみんなを引っ張るプレーをしないと」とベテランの自覚も見せた。

 得点を挙げた中野克哉は「拓馬さんが復帰して入って、前線での起点ができ劇的に変化が生まれた」と実感を込める。

 フェルナンデス監督も手応えを感じているようで「どの試合も細かい部分で勝負が決まるし、勝てるチームはミスが少ない。課題をより早く改善し、キックの精度を上げていかないといけない」と選手たちを鼓舞した。
 (大城三太)


(2)タピスタ(仙台1勝1分け)

琉 球 4勝7分け15敗(19)
1―1(0―1,1―0)
仙 台 14勝6分け6敗(48)

▽得点者 【琉】 中野(5)【仙】 真瀬(2)
▽観客 2012人

 【評】前半0―1からPKの判定を受けて窮地に陥ったが、ダニー・カルバハルが死守し、以降の展開を大きく変えた。センターバックの中川創が粘り強い守備で何度も危機を防ぐなど、守備に安定感が出た。後半終盤はショートカウンターを成功させ、主導権を握った。

ハードワーク称賛

 ナチョ・フェルナンデス監督(琉球)の話 ハードワークしてくれた選手たちを称賛したい。上位の強いチームに相手にチャンスをつくって戦えた満足感もあるし、勝ち点3を奪えなかった悔しさもある。前半は競り合いの強度が良くなく選手たちを怒った。

苦しいゲームだった

 原崎政人監督(仙台)の話 苦しいゲームだった。引き分けで終えられたことをプラスに捉えている。ボールを動かすスピードが上がらず、一個いらない動きが入り、プレッシャーを受けた。琉球は前回対戦よりも縦へのボールが増え、カウンターが速かった。