道路地図をめくる日々 増田健太・北部報道グループ


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written by 増田健太(北部報道グループ)

3月上旬に撤去されるパラソル通りのパラソル付きテーブルやいす=2月10日、那覇市牧志

 道路地図を求めて、年度初めに金武町の書店・金武文化堂を訪ねると「ちゃんとした地図は、今は置いていませんね」と言われた。名護市内の宮脇書店を訪ねると「もうすぐ新版が出ますから、しばらく待ってください」とのことだった。店員さんたちが私に勧めてくれたのは「県別マップル 沖縄県道路地図 第4版」である。この5月に新しくなり、表紙もデザインも一新した。1996年から続くロングセラーだが、文字や色が変化していることが分かる。版元の昭文社によると、今回は薄い紙を使用することで、軽く、使いやすくなっているのだという。

 スマートフォンを利用する機会も多いが、広い範囲を運転して移動する取材活動にとって、紙の地図は欠かせない。紙製品なら指で操作する必要がないため、わずかな停車時間でもすぐに開ける。また辞典にも当てはまるが、使い慣れた紙の方が、IT機器に頼るよりも意外と早く正確な情報を引き出せることがある。シャープペンシルで書き込んだ箇所は記憶に定着する。

 それでも近年は書類の電子化やスマホでの情報交換を求められることが増えてきた。新聞にも電子新聞が無料で付く。使ってみると非常に便利だ。すぐに他人と共有できる。朝5時には離島でも朝刊が読める。紙も捨てがたいが、デジタルも魅力的だ。しばらくは併用する時代が続くのだろう。

(金武町、宜野座村、恩納村、伊是名村、伊平屋村担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。