中城村内計画の公営火葬場白紙に 財源の確保困難


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 【中部】公営の火葬場がない宜野湾、北谷、西原、北中城、中城の5市町村が中城村内に建設を計画する「中部南地区火葬場・斎場」(仮称)について、約40億円の財源確保のめどが立たず、地元の合意も得られていないことから、場所も含めて計画を白紙に戻す方向で調整していることが15日までに分かった。関係者によると、既に各首長同士で計画白紙の意向を確認しているという。現在の計画では2019年供用開始の予定だが、計画白紙となれば供用開始の遅れは避けられない。

 5市町村でつくる建設検討委員会(委員長・松川正則宜野湾市副市長)は当初、5市町村のうち3市町村が基地所在市町村のため防衛省予算の活用を検討した。だが基地がない自治体もあることから、防衛省予算では活用できるメニューがなく断念した。さらに一括交付金の活用についても県と協議したが「火葬場は沖縄の特殊事情に由来せず、なじまない」として見送られた。予算確保のずさんさなど行政手続きをめぐって批判が出そうだ。
 5市町村の住民は現在、他市町村で高額な費用を負担して火葬している。そのため5市町村が合同で造ろうと12年に建設検討委を発足、13年9月までに中城村安里の県道35号沿いを建設候補地に決定した。
 一方、候補地の安里区で15年3月に建設反対の立場を取る区長が誕生した。建設反対を決議するなど反発が強かった。
 検討委は10月末までに、5市町村の枠組みのまま候補地の再検討を進めることを確認する見通しだ。
(清水柚里)