彩発見、来月末まで延長 沖縄県、国の「旅行支援」延期で


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 新型コロナウイルス感染症の急拡大に際し観光庁は14日、7月前半から開始を予定していた観光需要喚起策「全国旅行支援」の延期を発表した。これを受けて県文化観光スポーツ部は、おきなわ彩発見キャンペーンの実施期間を8月31日宿泊分まで延長すると発表した。

 全国旅行支援は全国の旅行を対象に、旅行代金を40%割り引く。1人1泊当たりの割り引き上限は割引上限は8千円となる。国は今後、感染状況を見ながら開始時期を決定する。首都圏や関西などの大都市圏から沖縄への誘客に期待していた観光事業者も多く、落胆の声が出ている。

 JTB沖縄の杉本健次社長は「開始を期待し需要が増えることを前提にホテルの客室などを仕入れていた。不足が予想されたレンタカーの在庫も増やしていた。私たちもそうだがお客さんが一番残念だろう」と話した。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は、全国旅行支援の延期について「感染状況をみると仕方ないと思う」と冷静に受け止める。「平準化を実現するために、観光客の少ない秋頃に実施してほしい。観光の弱い時期に断続的に長期間実施することで、財源の有効活用にもつながる」と提案した。

 ホテルパームロイヤルNAHAの高倉直久総支配人は「予約は鈍化しているが、以前のように一斉キャンセルということはない。全国旅行支援はあればラッキーという感覚で、自力で頑張って運営をしているホテルが多い印象だ」と話した。

 感染者の増加を受けて行動自粛制限が出ることを危惧し「これまでの沖縄県の自粛要請に伴う観光事業者への協力金支給を実現させる会」は、20日午後5時に那覇市の県庁前県民広場で集会を開くことを決めた。 (與那覇智早)