ウクライナ大使8月来県へ 議長は県議会での演説打診も「戦争当事国の一方」と慎重意見も 知事会談は調整中


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沖縄県議会議会棟(資料写真)

 沖縄県議会の赤嶺昇議長は15日、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が8月の来県を調整しているとした上で、赤嶺氏から県議会での演説を非公式に打診したことを明らかにした。議会演説は全会派の一致が前提になるが、「被害国とはいえ戦争当事国の一方なので、慎重に考えるべき」(与党県議)との意見もあり、各会派で対応を検討している。

 赤嶺氏によるとコルスンスキー大使は8月5日に来県を予定し、玉城デニー知事との会談などを調整している。県は数日前に大使側から来県の意向が示されたとし、玉城知事との会談については「日程を調整中」としている。

 赤嶺氏は来県に際して本会議場での演説を大使館側に働き掛けたといい、15日に議長名の文書を各会派に出して見解を諮っているという。全会派が一致すれば正式に要請する方向だが、賛同する会派がある一方で、慎重意見もある。

 県議会事務局によると、沖縄県議会での海外要人の演説は1984年にハワイ州知事が実施した事例がある。

 コルスンスキー駐日大使は、県議会に対し、ロシアの侵攻に伴って負傷した同国民の受け入れや治療・リハビリへの支援などを文書で要請していた。要請書は6月23日付。

(武井悠、塚崎昇平)