那覇市保健所で22人クラスター 29日まで健診など一部業務を延期や停止


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那覇市保健所でのクラスターなどについて説明する市関係者=15日、那覇市役所

 那覇市保健所は15日、保健所内で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)2例が発生したと発表した。10日から14日までに計22人のクラスターを確認した。クラスターとは別に11人が感染している。同保健所は緊急事態を宣言し、15日から29日まで乳幼児健診を延期し、市役所での特定健診(まちかど健診)などを停止する。同保健所でのクラスターは初めて。

 同保健所の新型コロナウイルス感染症現地対策本部では14人のクラスターが発生した。感染源は不明。原因について「感染急拡大で対応方針が頻繁に更新されていた時期で、職員の接触が多くなっていたことや、感染力の高い派生型ウイルスの影響が考えられる」とした。

 同保健所ワクチン接種推進室では8人のクラスターが発生。4日からせき症状のある職員がいたが、簡易抗原検査で陰性だったため10日まで出勤し、その後、陽性となった。クラスターの原因として、症状がある中での勤務継続、一時的に不適切なマスク着用、ウイルスの高い感染力を挙げた。

 仲宗根正所長は「感染対策をしていたが多くの陽性者が出てしまい申し訳ない。(職員同士の)接触の機会を減らすなど対策を強化する」と述べた。症状のある職員が抗原検査で陰性だったことを理由に勤務を続けていたことについて、市健康部の又吉明子副部長は「早く把握していればPCR検査や自宅待機をさせていたが、監督不行き届きだった」とした。

 陽性者と濃厚接触者を含め、新型コロナ対策本部では28人が休み、全庁から延べ18人の応援を充てる。

(伊佐尚記)