激突!きょう準決勝 KBC未来×興南 夏季高校野球沖縄大会の見所は?


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 甲子園出場を懸けた第104回全国高校野球選手権沖縄大会の第11日は16日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合を行う。午前10時開始の第1試合は初の4強入りのKBC未来と、3年ぶり29度目の4強に入った興南が対戦する。続いて午後0時半開始予定の第2試合は2年連続27度目の準決勝進出の沖縄尚学と、3年ぶり6度目の準決勝進出の美里工がぶつかる。4強の戦力や見どころを紹介する。決勝は17日午後1時から同球場で行われる。(金良孝矢、謝花史哲)

 

見どころ

 KBC未来は2回戦で第1シードの沖縄水産を破り、3回戦は糸満を延長十三回タイブレークで破るなど激闘を経て勢いがある。興南は攻守ともに総合力があり、新型コロナの影響で春季大会を辞退した悔しさをバネに気合が入っている。両チームとも打率が3割を超えて攻撃力が高い。投げては継投でつなぐKBC未来か、防御率0.00を誇る興南か。投手陣の出来が勝敗の鍵を握りそうだ。


KBC未来 継投策で守り勝つ

粘り強い投球を見せるKBC未来の依田龍斗

●攻撃力

 1試合平均の四死球(5・5)と盗塁(3)の数は4強の中で最も多く、出塁して好機をつくる。三振(7・25)や残塁(10・25)の数も多いが、中軸が走者を返せば勝利は遠くない。打率は4番の宮良颯が3割5分3厘、3回戦でサヨナラ打を放った5番・前田博朱(はくあ)は4割7分1厘、6、8番を務める橋本虹輝(こうき)は5割ちょうどで好調。ほかのメンバーも長打力がある。

●守備力

 トルネード投法の2年生右腕・依田龍斗(たつと)を中心に、初戦から継投で勝ち上がってきた。依田は先発で試合の流れをつくるだけでなく、ピンチの場面で救援登板しても丁寧な投球で切り抜けるまでに成長した。エースの3年生右腕・大城元は直球に力があり、大事な場面で相手打線をねじ伏せたい。
 


興南 総合力で春の雪辱

本塁生還を阻止する興南の捕手・盛島稜大(右)

●攻撃力

 4強ダントツの打率3割8分3厘の攻撃力を備え、上位から下位まで長打を狙える。3番の禰覇盛太郎主将が3戦全てで本塁打を放ち、驚異的な6割6分7厘の当たりでチームを引っ張る。リードオフマンの2年・仲程雄海(おうか)は5割ちょうどを誇り、足で本塁も狙える。4番の盛島稜大(りょうた)は準々決勝から調子を上げ、主砲の活躍が期待される。四死球や盗塁も絡め得点を狙う。

●守備力

 準々決勝で完封の活躍を見せた主戦投手の生盛亜勇太(あゆた)、右翼も守る安座間竜玖(りく)、2年生左腕の平山航多の3枚で防御率0・00。1試合平均の失策数は1で4強の中でワーストだが、失点は0・33で最も少ない。本塁生還を許さない守備の強度を維持できれば、頂点への到達も可能となる。