沖縄コロナ急拡大、一般診療の制限も懸念 病床使用60%、入院調整が困難に


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 沖縄県の新型コロナウイルスの新規感染者が5日連続で3千人を超え、コロナ下の医療体制に支障が出始めている。16日時点のコロナの病床使用率は、まん延防止等重点措置を検討する目安の60%を超える60・7%になり、入院調整が困難になっている。入院患者は393人に達し、一般診療を制限する「緊急フェーズ」への移行も懸念される。

 病床使用率は確保病床数を最大値の647床として算出しているが、実際に稼働できている病床は16日午前11時時点で549床だ。日々入退院があるため稼働病床数は頻繁に変動するものの、仮に549床で病床使用率を計算すると71・6%に上昇する。

 県によると、入院待機ステーションを活用しながら入院を調整しているが、新規の入院調整に時間を要しており、患者の居住地域で病院が見つからず、別の地域の病院にに入院することもあるという。

 病床使用率は圏域別でばらつきがあり、16日は本島64・2%、宮古12・1%、八重山90・9%だった。八重山は重症者用病床使用率も100%に達し、すでに危機的状況で、県は19日から応援の看護師3人を派遣する。

 県は1日の入院患者が500人を超えると、医療提供体制を緊急フェーズへ引き上げる検討を始める。緊急フェーズでは一般診療を制限してコロナ対応に当たることになる。

 県は「三連休のイベントを楽しみにしている人は多いと思うが、感染リスクが高まることを認識してほしい。一人一人が感染対策を徹底しないと状況は改善しない」と、危機感を強めている。

(稲福政俊)