興南、延長十二回の熱戦制す 準決勝はKBC未来に6-4 夏季高校野球沖縄大会


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 甲子園出場を懸けた第104回全国高校野球選手権沖縄大会第11日は16日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合を行い、興南と沖縄尚学が決勝に進んだ。夏の決勝で興南と沖尚が顔を合わせるのは2019年以来。興南はKBC未来に延長十二回の末、6―4で競り勝ち3年ぶり22度目の決勝進出。沖尚は美里工を1―0で破り2年連続15度目の決勝となる。決勝は17日午後1時から同球場で行われる。


エース生盛 粘りの投球

 緊迫した大接戦を興南の右腕エース生盛亜勇太(あゆた)が気持ちで投げ勝った。4―4で迎えた九回無死、先頭の9番打者から2安打を許し、二、三塁のピンチを招く。流れは相手に傾き、サヨナラ負けがよぎる絶体絶命の場面。守備のタイムで我喜屋優監督から「弱気になるな。自信のあるボールを投げてこい」と伝令を通じ背中を押された。

KBC未来―興南 9回2死二、三塁、打者を三振に仕留め雄叫びを上げる興南のエース・生盛亜勇太=16日、沖縄セルラースタジアム那覇(大城直也撮影)

 ここからが圧巻だった。コンパクトにバットを構える2番打者に、140キロ台の直球を投げ込む。ファウルで粘られたが、最後は見逃し三振。続く打者にも直球で内外を攻めてスイングアウトに仕留める。4番打者を迎える前に右手親指がけいれんしたが「気持ちで投げた」。最後も直球で手を出させず。3者連続三振でガッツポーズしてほえた。

 「監督の言葉と、(捕手の)盛島稜大(りょうた)のリードを信じて投げた」と胸をなで下ろす。「もうやられたと思った」という我喜屋監督も「粘りが非常によかった」と褒めた。

 初回途中から十二回まで149球を投げ、11奪三振の熱投。これまで最速145キロだった直球は147キロを記録。「ベンチで147キロが出たと言われたけど気にしないで投げた」とエースらしく一喜一憂はせずに投げ抜いた。

(金良孝矢)

主砲盛島、勝ち越し二塁打

 3回戦まで調子が上がらず悩んでいた興南4番の盛島稜大が、主砲としての一発を大事な場面で放った。

KBC未来―興南 延長12回1死一塁、勝ち越しの適時二塁打を放つ興南の盛島稜大(又吉康秀撮影)

 延長十二回1死、安打で出た3番の禰覇盛太郎を一塁に置いて、直球を中前に運ぶ適時二塁打で勝ち越しに成功。「(好投し続ける)生盛に刺激を受けて打線がつながった」と謙虚に受け止めた。

 生還した主将の禰覇は「これ以上ない一本が出た」と盛島を持ち上げた。盛島は続く5番安座間竜玖(りく)の適時打で本塁を踏み、この回の貴重な2点目も追加。「これからもチーム一丸となって勝ちたい」と打線のつながりを誓う。

(金良孝矢)


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