パーリ競漕、伊江中生徒が島の伝統を体験 卒業前の思い出に村漁協などが企画 伊江


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
息を合わせ櫂をこぐ生徒ら=11日、伊江村川平の大口漁港

 【伊江】伊江中学校は11日、大口漁港で「ふるさと学習パーリ体験」を実施した。伊江村漁業協同組合(八前隆一組合長)と関係者らが企画。生徒たちは櫂(かい)さばきの練習を経て、本番の競漕(きょうそう)を楽しんだ。

 海人の伝統行事である海神祭が3年間コロナの影響で中止になった。毎年、伊江中の生徒も参加し伝統行事に触れてきたが、参加できず。「海人の伝統行事であるパーリを体験させ、島を離れる生徒たちに思い出をつくらせたい」と申し出があり実現できた。

 生徒会長の棚原天夢(てんむ)さん(3年)は「今日初めて船をこぐので、ちむどんどんしています。貴重な体験をありがとうございます」とあいさつした。

ふるさと学習パーリ体験をした生徒ら

 午前中は櫂さばきを練習し、本番は午後から。学年ごとの計10チームに職員も2チーム出場し盛り上げた。各チームは船に乗り込み、息の合った掛け声と力強い櫂さばきで、300メートルをこぎきった。タイムレースで競い、優勝は3年A、2位は3年B、3位は3年C。上位を3年生が独占し、先輩の意地を見せた。

 大きな声で声援を送っていた藤本凉士(りょうじ)さん(3年)は「初めてのパーリはしっかりとこぐことができるか、落ちずに最後までゴールできるか不安だったけど、声を出しながらこいだので無事にゴールすることができた」と満足気に話した。

 前田笑楽(えいら)さん(3年)は「海人の方々の会場設営や協力に感謝します。たくさんのサポートをありがとう。楽しかった」。こぎ終わって陸に上がってくる生徒の表情は満足感で輝いていた。
 (知念光江通信員)