小学校におやつや昼寝の時間!? 児童らベトナムの暮らしや移民に興味津々 安和小で多文化共生の講座


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県系移民の歴史や多文化共生などについて学んだ児童ら=5日、名護市の安和小学校

 【名護】10月31日から開催予定の第7回世界のウチナーンチュ大会を控え、海外のことを知ろうと、名護市立安和小学校で5日、特別講座「県系移民の歴史で学ぶ多文化共生に向けたこれからの沖縄」が開かれた。名桜大学で非常勤講師を務めるグェン・ド・アン・ニェンさん(46)がベトナムの小学校について「おやつやお昼寝の時間もある」と紹介すると、児童らから「ベトナムに行きたい」などの声が上がった。

 第7回大会のプレイベントとしてJICA(国際協力機構)沖縄と名護市の協力で実現した。安和小を含め市内の小学校8校で特別講座を開く。沖縄の移民史への理解や多文化共生社会の構築を図ることが目的。

ベトナムの学校生活などについて説明するグェン・ド・アン・ニェンさん

 安和小での特別講座では、NPO法人沖縄NGOセンターの佐々木綾菜さんが名護から多くの人が海外に移民として渡ったことを説明。メキシコに炭鉱作業員として渡り、その後米国に移民した山入端隣次郎さんを取り上げた。山入端さんが故郷の発展のために帰国し、1917年に沖縄自動車会社を設立したことなどを紹介した。

 非常勤講師のほか、翻訳家としても活躍するニェンさんは、人気アニメ「ドラえもん」のベトナム語版や、ニェンさん自身が翻訳した宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」について紹介。「正しく翻訳することで原作の面白さが分かる」と述べ、外国語学習の醍醐味(だいごみ)を伝えた。

 6年生の児童(11)は「沖縄のために頑張った移民の人たちのことをすごいと思った。ベトナムの小学校は楽しそうなので行ってみたい」と話した。
 (松堂秀樹)