海域広げ移植再申請へ 防衛局、辺野古サンゴ、対象倍増


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 沖縄防衛局は19日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事に関して有識者が助言する「環境監視等委員会」を那覇市内で開いた。会合では、県が今年2月、軟弱地盤を理由に、特別採捕(移植)申請を不許可にした大浦湾側に生息する小型サンゴ群体などの移植を再び申請する方針が示された。昨年12月の申請の際は移植対象の小型サンゴは約3万5350群体としていたが、今年4~6月にかけての再調査の結果、対象が約8万4千群体に倍増したことも報告された。

 防衛局は倍増した理由について「近年、大型台風直撃による消失や高水温による白化の影響などがなかったため移植対象(長径10センチ以上)に満たない大きな群体が順調に成長した」と説明。移植対象が倍増したため、大浦湾沖合の移植予定海域から倍以上となる約3・2ヘクタールの範囲へ移植を再申請する。移植完了期間は21年12月の申請から数カ月程度延びた約1年を予定。防衛局担当者は時期について「準備が整い次第、申請したい」と述べた。

 今年3月に移植が完了した小型サンゴ類があった海域でも移植対象が増えた可能性があることを踏まえ、再調査の必要性について問われたが、担当者は「移植が必要なサンゴは全て移植した。終了したものは調査をすることはない」と述べた。
 (梅田正覚)