伊江村の村踊りで16年ぶりに「大川敵討」


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16年ぶりに上演された組踊「大川敵討」=11日、西江上公民館

 【伊江】村内8区の輪番で上演される国指定重要無形文化財「伊江村の村踊り」が11日、同村西江上区公民館で開催された。ことしは西江上区(知念邦夫区長)の当番で、16年ぶりに上演された組踊「大川敵討」をはじめ38演目が披露された。村内外から500人余が訪れ、鑑賞した。

 最初の演目は出羽(イジパ)。役者約50人が「雨降花染」の踊りで幕を開けた。一糸乱れぬ演舞に大きな拍手が送られた。西江上区独特の鬼の仮面で踊る「ペンシマ」や、歌劇「挽物口説」「豚小狂言」もオリジナルのアドリブで、会場を笑いの渦に巻き込んだ。
 知念区長は「8年に1度の字マールを地域ぐるみで取り組んできた。区民の融和は大きな喜びであり誇り。先人の努力と苦労により守り伝えられた民俗芸能を、正しく次の世代へ引き継ぐことが責務だ」と話した。
 実行委員長の知念吉久さんは「先人たちより保存継承されてきた貴重な伝統文化である民俗芸能を正しく習得、継承、発展させるため、役者総勢49人と地謡、指導者、裏方、区民が一丸で取り組んできた」とあいさつした。伊江村民俗芸能発表会が11月7日に予定されており、知念さんは「発表会ではより完成度の高い芸能を披露したい」と述べた。
 会の中で区の民俗芸能の伝統継承に寄与したとして、宮城義勝、石新一雄、宮城恵美子、知念悦次、山城章則の5氏に感謝状が贈られた。
 宜野座村松田区伝統芸能保存会や読谷村渡慶次自治会の関係者も激励に訪れた。読谷村渡慶次自治会にも組踊「大川敵討」があり、参考にしたいと今回16人が参観した。両地域とも民俗芸能が盛んで、継承に力を注いでいる。(知念光江通信員)