キャンプ効果43億円 りゅうぎん総研22年、プロ野球、83%増


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 りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は29日、2022年プロ野球春季キャンプの経済効果が43億4700万円だったと発表した。2年ぶりの有観客開催により、21年の23億6600万円から19億8100万円(83・7%)増加しているものの、まん延防止等重点措置による行動制限が影響し、新型コロナウイルス感染拡大前で過去最高額だった19年との比較では97億8400万円(69・2%)減となっている。

 2年ぶり有観客受け

 球団関係者や観客らによる期間中の直接支出額を29億7500万円と推計し、前年比で13億7200万円の増加となった。最も支出が多い宿泊費は8億8千万、飲食費が6億6100万円、練習施設などの整備費が3億7700万円と続いた。

 直接支出額に自給率を掛けると、県内で供給された分である27億3500万円が直接効果となり、これらの産業にサービスなどを提供する産業の売り上げ増による波及効果が10億6900万円、各産業の雇用者の所得増による消費需要への効果を5億4300万円とし、これらの合算が経済効果となる。

 今年は有観客でのキャンプインだったが、沖縄への渡航自粛に加え、各球団も感染防止策を徹底しため、期間中(オープン戦も含む)の延べ観客数は19年との比較で29万4千人減の11万4千人にとどまった。そのうち県外客は9千人と推測しており、19年比では8万3千人減の低水準だった。

 りゅうぎん総研は「ウィズコロナに対応した安心安全な体制の構築と観光消費拡大の両立を図ることが重要だ」と指摘。「実際にキャンプ地を訪れるインセンティブの創出など、新たなキャンプの在り方を模索していく必要がある」と提言した。
 (小波津智也)