FC琉球、4戦ぶり勝利 熊本に2-0、堅実守備で無失点に抑える


社会
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 サッカー明治安田J2第29節第1日の30日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでロアッソ熊本と対戦し、2―0の無失点で勝利した。4試合ぶりの白星。ホーム戦勝利は5月14日の栃木戦以来。前半は阿部拓馬の技ありループシュートで先制し1―0で折り返した。後半は立ち上がりにサダム・スレイがヘディングで追加点を決めた。その後は攻められる場面も多かったが、堅実な守備で無失点に抑えた。通算成績は5勝15敗9分けで勝ち点24、順位は最下位22位のまま。21位大宮との勝ち点差を1に縮めた。次戦は8月6日、甲府市のJITリサイクルインクスタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦する。
 

(2)タピスタ(琉球2勝)
琉球 5勝9分け15敗(24)
2―0(1―0,1―0)
 熊本 11勝11分け7敗(44)
▽得点者 【琉】 阿部(2)スレイ(1)
▽観客 4537人

 【評】前半終盤、阿部拓馬がDF2人の間をすり抜けて技ありのループシュートで先制した。後半立ち上がりには身長191センチのサダム・スレイが高さを生かした頭での2点目で突き離した。今季の課題と言える守備のもろさは見せず、最後まで無失点で守り切った。


 今季1番となる約4500人の観客が詰め掛けたホーム戦で、上位の熊本に無失点勝利を収めた。ホーム戦勝利は5月14日の16節以来。サポーターは久々の笑顔で会場を後にした。
 

琉球―熊本 後半3分、中野克哉のクロスに頭で合わせてゴールを挙げる琉球のサダム・スレイ(左)=30日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)

 後半、DF岡﨑亮平は1対1で堅実な守備力を見せ、体を寄せて危機の芽を摘んだ。「FW陣を含め一人一人の守備への意識が高く、ポジション取り、コミュニケーションの声掛けなど、しっかり対応できていた」と手応えを語る。

 熊本は速いパス回しや守備から確実にボールをつなぐ巧みさで、ゲームを組み立てた。「選手がポジションを入れ替わりながら攻め込む」という熊本の特徴を、琉球は連動した動きで封じた。

 岡﨑は「人について行くとスペースを与えてしまう。最後は誰かが必ず中に入ってくる。守備陣で声掛けしながらマークの受け渡しやライン統制ができた」と危機らしい危機はなかった。今季残り13試合。徐々に戦術理解が深まり、守備の脆弱(ぜいじゃく)性も改善されつつある。

 降格圏脱出へ、相手チームを封じるための戦い方を体現するため、「1週間の積み重ねが大事(岡﨑)」となる。

 (大城三太)


役割果たした

 ナチョ・フェルナンデス監督(琉球)の話 離脱者が多い中、残りの選手が、要求したことに対して必要な役割を果たしてくれた。熊本は運動量が多く、ポジションを変えながらやってくると分析し、それに対応できるようにしようと伝えていた。
 

テンポが合わず

 大木武監督(熊本)の話 完敗だった。相手がプレスをかけてくると思いきや、そうならなかったところなど、テンポが合わず、やろうとしていることをうまく外された。そこで対策すべきだったが、できなかった。


豪華メンバー盛り上げ フレンドリーマッチ

フレンドリーマッチでボールを追うラモス瑠偉(手前)ら=30日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)

 試合前に行われた20分ハーフのスペシャルフレンドリーマッチが観客を盛り上げた。

 元琉球所属の選手らで構成するチーム赤嶺(赤嶺真吾選手兼監督)、元日本代表選手らを集めたチームラモス(ラモス瑠偉選手兼監督)の豪華メンバーが集結し、和気あいあいとした雰囲気のなかで、色あせない技術をピッチで表現した。

 北澤豪、中澤佑二らがテクニックを披露し、上里琢文(たくみ)、赤嶺らがゴールを決めた。ラモスも後半から出場し、声援を受けた。試合はチームラモスが3―2で勝利した。

(大城三太)