キングス、地元白星発進 TKbjリーグ第5戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
キングス―奈良 第1クオーター、インサイドに切れ込んで得点を狙う金城茂之=17日、沖縄市体育館(屋嘉部長将撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングスは17日、沖縄市体育館にバンビシャス奈良を迎えてホーム開幕戦を行い、85―70で勝利した。今季ホーム一発目の試合で勢いをつけたいキングスだったが、堅守で失点を防ぎながらも得点を伸ばせずに序盤はロースコアの展開になった。

 第1Qで10点のリードを奪いながら、第2Qにはインサイドで力を発揮した奈良に4点差まで迫られた。キングスはタイムアウトで悪い流れを断ち切ると、岸本隆一やドゥレイロン・バーンズの3点弾でリードを2桁に広げた。40―26で迎えた第3Qはアウトサイドから連続で得点する奈良に詰め寄られたが、キングスは金城茂之の3点弾やイバン・ラベネルのインサイドで点を重ねてリードを保った。第4Qは山内盛久の3点弾などで攻め続けて今季のホーム初戦を白星で飾った。奈良との第2戦は18日午後6時から同体育館で行われる。(観客3293人)

琉球ゴールデンキングス(4勝1敗)
85―70(22―12,18―14,18―22,27―22)
バンビシャス奈良(5敗)

 【評】キングスが後半に加速した奈良を振り切った。前半はロースコアの展開になったが、守備で粘ったキングスがリードを維持した。後半は奈良の3点弾が当たり出し、キングスの守備もペースダウンして点差を詰められた。キングスは金城やラベネルが要所で加点して流れを渡さず、勝利をつかみ取った。奈良は前半に得点を伸ばせなかったことが響いた。(平安太一)

◆喜んでもらえる試合できて満足
伊佐勉監督(キングス)の話 
ホーム開幕戦でお客さんに喜んでもらえる試合ができて満足している。細かいエラーはあるけれど、やろうとしていることは40分間、続けていた。先週の滋賀戦よりはいいゲームだった。テンポを上げようと思っているので、明日はそこをもう少し求めたい。

◆攻守切り替え早くやられた
衛藤晃平HC(奈良)の話 
キングスの攻守の切り替えが早く、そこにやられた。明日は日本人選手やバーンズ選手をどうにかしないと勝機はない。前半は攻撃が単調になって後手を踏んでしまった。分かりやすい敗戦だったので、明日は前半から仕掛けたい。

◆金城、悪い流れ変える
 嫌な時間があった。放ったシュートはことごとくはじき返され、相手に連続得点を許してしまう。観客のため息が会場に満ち始めると、背番号6がコートを駆け抜けた。
 第1Qはミドルやインサイドで得点してチームを鼓舞した。奈良の猛攻を受けた第3Qは外からリングを射抜いて相手に傾きかけた流れを引き戻した。
 「今日はたまたまです」と控えめに語る金城茂之が稼いだのはチーム最多の17点。キングスを初年度から知る男がTKbjリーグ最終年のホーム開幕戦を盛り上げた。
 全員でボールをつないでバランスよく得点する。キングスが目指しているバスケを「練習通りやることができた」(金城)。その言葉が示すように岸本隆一、大宮宏正、バーンズと個人に偏らず点を重ねた。自らも点に絡んだ金城は、「チームオフェンスを意識していた」と仲間と連係が取れたことを喜ぶ。チームが苦しむ時間にも活躍し、「(流れを変えた)感触があった」とうなずく。
 ホーム戦の第一歩はファンの笑顔が輝く結果になり、金城も「安心しました」と笑った。守備が乱れた後半に失点が増えるなど課題もあるが、攻撃ではチームで戦う姿勢を最後まで貫いた。「たとえ自分が無得点の時でもやるべきことはやる」と金城が言うように、それぞれが役割を果たしながら長いシーズンに挑む。(平安太一)