「おいしい給食ありがとう」諸見小学校の調理場が55年の歴史に幕 児童らが感謝の花道


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諸見調理場最後の日に開かれた感謝セレモニーで、児童らから花束を手渡された調理場職員ら=7月20日、沖縄市の諸見小学校

 【沖縄】「おいしい給食をありがとう」。沖縄市立諸見小学校にある「諸見調理場」が7月20日、55年の歴史に幕を下ろした。市内最後の学校内調理場として、同小の児童に給食を届けてきたが、老朽化のため閉じることになった。20日、児童らが感謝セレモニーを開き、調理場職員らを花道で送り出した。

 諸見調理場は1960年に開業し、67年から完全給食の提供を始めた。調理場独自の献立や児童と調理員の距離の近さなどで親しまれてきた。単独調理場としての功績が評価され、2021年度には「文部科学大臣優秀教職員表彰」を調理場職員全員で受賞した。

 夏休み前日のこの日は、諸見調理場が作る最後の給食。児童からリクエストがあったカツカレーで締めくくった。食器の片付けで配膳室を訪れた児童らは「最後の給食、おいしかった」「ごちそうさまでした」と思い思いに感謝を伝えた。

 花道で見送られたのは、調理員や栄養士ら9人。職員が校歌が流れる校内を歩くと、児童や教員の温かい拍手に包まれた。

 栄養職員の比嘉政成さんは「達成感と寂しさがある。児童らと触れ合える機会が減ることは寂しいが、調理場が変わっても諸見っ子においしい給食を届ける」と語る。西銘清正調理係長は「諸見調理場で作られた給食を、みんなの心の中で一生の宝物にしてほしい。ここで料理を作ることができて良かった」と話した。

 児童を代表してあいさつした6年生の島袋鈴菜さんは「温かくておいしい給食に支えられてきた。今までおいしい給食をありがとうございました」と感謝を伝えた。

(石井恵理菜)