「90キロしっかり感じた」本部高校の比嘉、高校新記録の笑顔 女子重量挙げ59キロ級 四国総体


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四国総体重量挙げ女子59キロ級 日本高校新記録のスナッチ90キロの成功を確信し、笑みをこぼす比嘉成(本部)=7日、愛媛県の新居浜市市民体育館(稲福政俊撮影)

 全国高校総合体育大会・四国総体第11、12日は7、8の両日、愛媛県などで行われ、重量挙げ女子59キロ級の比嘉成(本部)がスナッチで自らの記録を更新する日高新の90キロを成功させ、トータル185キロの大会新記録で優勝を飾った。男子89キロ級の造倉翼(糸満)はトータル260キロで頂点に立った。同81キロ級の赤木力樹(興南)は6位に入った。陸上の男子円盤投げでは照屋瑠亜(那覇西)が7位、女子三段跳びで喜久里彩吹(那覇国際)が7位入賞を成し遂げた。弓道の男子団体は興南が決勝トーナメント1回戦を突破し、16強入りした。剣道の女子団体は興南が予選を通過し16強に入ったが、決勝トーナメント1回戦で敗れた。柔道の女子団体は2回戦から登場の沖縄尚学が初戦敗退となった。

「90キロ しっかり感じた」

 90キロのバーが頭上で安定した瞬間、比嘉成(本部)は中腰のまま成功を確信し、硬かった表情を緩めた。ゆっくりと立ち上がり、成功を知らせるブザーが鳴るころには満面の笑みに変わっていた。重量挙げ女子59キロ級のスナッチ日本高校新記録を笑顔で挙げる2年生に、会場がどよめいた。

 勝利を最優先し、スナッチは確実に成功できる80キロから試技を始めた。2本目85キロ、3本目90キロと、女子選手にとっては過酷な5キロ刻みの重量変更だったが、ものともせず3本とも成功させた。「90キロは新記録の重みをしっかり感じた」と、記録更新の偉業をかみしめた。

 ジャークも2本連続で成功し、3本目は自己新記録の100キロに挑戦。鎖骨の上でバーをキャッチするはずが、わずかにずれて鎖骨の下に当たり、そのまま落とした。失敗の原因は「足の動きを意識しすぎてしまったこと」と分析する。悲観は全くなく「100キロを挙げるイメージができた。成功は見えている」

 次の目標はジャーク、トータルの高校記録だ。「三つ全部取れたらかっこいい」と無邪気に笑う。新記録ラッシュの道は始まったばかりだ。
 (稲福政俊)