復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉8月14日「枯れ葉剤作戦は有効な戦術、米戦略研究グループ」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年8月14日の琉球新報1面トップは、「スタートから大きなあい路/県の来年度予算案編成/国家支出の概算要求期限切迫で/『開発計画』もまだ/事業費の選定、見当つけ繰り込む」との見出しで、復帰初年度の予算案の審議が県議会で進む中、同時進行で次年度予算案の概算要求を進めなければならず、対応に苦慮している様子を伝えている。

 ベトナム戦争に関連した記事で「枯れ葉作戦は有効な戦術/米戦略研究グループ勧告」との見出しで、ワシントンポストの記事内容を伝えている。記事では、米陸軍戦略研究グループの勧告内容は「挑戦、西欧、キューバ、エチオピア、ベネズエラなどで、将来、起きると予測される戦争に対処するために、枯れ葉作戦を軍の最高機密計画に加えるべきだ」というもの。さらに記事では「ベトナム戦争で使われた枯れ葉作戦は限定された効果しか挙げなかったが、それにもかかわらず同研究グループは『朝鮮半島で将来、通常兵器による戦争が起こった場合、挑戦の森林を枯れ葉作戦によって全滅することは効果的である』などと結論をくだしている」という。

 

 

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。