復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉8月16日「訪中要請を正式受諾、田中首相」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年8月16日の琉球新報1面トップは、田中角栄首相が来日中の孫平化上海舞劇団長らとの会談した時の記事を掲載し「訪中要請を正式受諾/首相、孫氏と会談/訪中の日取り、確定次第同時発表」との見出しで、現職首相と中国要人との初会談を大きく伝えている。関連記事として「新時代の幕あけ/『台湾条項』は自然消滅へ」との見出しで、9月下旬に田中首相と大平正芳外相の訪中日程が決まったことで、日中関係だけでなく日本の外交、防衛、内政面に大きく影響してくるとの見通しを紹介している。また「日中復交へ強い意欲/自民日中協で外相/論議は紛糾」と、大平外相が日中国交正常化に向けた意気込みを語っている様子を伝えている。

 このほか、沖縄県内のニュースでは「国保は早期実施/知事答弁、砂糖キビ価格増に努力/一般質問終了」との見出しで、県議会の一般質問のやりとりの様子を詳報している。

 

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。