基地や経済、コロナ対策…立候補予定3氏の白熱した舌戦に来場者も関心 沖縄県知事選公開討論会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県知事選の告示が約1週間後に迫る中で開かれた17日の公開討論会は、立候補を予定する現職の玉城デニーさん(62)、前宜野湾市長の佐喜真淳さん(58)、前衆院議員の下地幹郎さん(61)が丁々発止の議論を繰り広げた。米軍基地問題や経済振興、新型コロナウイルス対策などに関する3人の主張に、来場者は真剣な表情で聞き入った。

公開討論会で県知事選立候補予定者の議論に耳を傾ける来場者たち=17日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 クロス討論では、玉城さんが新型コロナ対策に関する佐喜真さんの公約を追及したのに対し、佐喜真さんは玉城さんの公約実現率に疑問を呈し、激しい舌戦となった。下地さんは普天間移設に馬毛島を活用する持論を展開した。

 来場者の70代男性=西原町=は「台湾有事が危ぶまれる中、沖縄で戦争を起こさせないためにどうするのか、それぞれの考えを聞くことができた。さまざまなテーマで議論が白熱していた」と、中身の濃い討論を評価。「基地問題はあやふやな主張に感じる部分もあったので、今後の発言も注目したい」と話した。

 子どもの貧困やコロナと経済に関心があり「今度の知事選は大切だ」との思いで公開討論会を聞いた40代女性=那覇市=は「違いがはっきり分かった」と振り返った。立候補予定者の公約で誤解していることがあったというが、直接話を聞いて「今日はすとんと理解できた」と誤解が解けた様子。立候補予定者の声を直接聞くことで「身近になり、自分事に感じられる」と語った。
(稲福政俊、金盛文香)