人口減や産業、離島の課題解決へグループごとに施策展開 沖縄県が今後10年間の離島振興計画を決定


社会
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沖縄本島からフェリーで約2時間の渡名喜島

 県は17日、離島・過疎地域の振興を議論する「県離島過疎地域振興対策会議」(議長・照屋義実副知事)を県庁で開き、2022年度から10年間の新たな離島振興計画「時代を拓く持続可能な島づくり計画」を了承した。新計画は、人口減や超高齢化社会の到来、新型コロナウイルスへの対応、SDGs(持続可能な開発目標)の展開を踏まえて策定した。さらに指標や条件ごとに離島を分類してまとめ、共通の課題解決を目指す「グルーピング」の手法を初めて取り入れた。

 22年度中に実施計画を作成し、離島グループごとの課題解決に向けた施策を展開する。

 5月に決定した新たな沖縄振興計画「新・21世紀ビジョン基本計画」を踏まえ、新離島振興計画は「SDGsを取り入れ、社会・経済・環境が調和する持続可能な海洋島しょ圏の形成」を基本政策に掲げた。

 離島グループは、単独の離島では導入できない設備やサービスなどを離島グループで導入したり、ともに施策を展開したりする事が狙い。グループは離島の「人口」と「産業構造」を基に、インフラ施設や医療機関の有無、産業別従事者数などの各共通項目を踏まえて15のグループを設けた。

 住宅に関するグルーピングでは「世帯数」と「第1次産業と第3次産業従事者数」を共通項目として用いた。世帯数は定住者を示し、各産業従事者数は、働き手と移住者ととらえた。いずれも伸びている離島には住宅不足が起きていると分析し、公営住宅整備などの支援が必要となる。一方、いずれも落ちこんでいる離島は定住者へのリフォーム費支援を実施するなどの方向性を示した。

 離島グループは(1)自然環境(2)住宅(3)防災(4)離島への輸送コスト(5)交通(島外)(6)交通(島内)(7)医療(8)高齢者(介護)(9)子育て(10)教育(11)観光産業(12)農林水産業(13)新産業と先進技術(14)産業人材(15)交流―だった。 (梅田正覚)