琉球舞踊の「からじ結い」舞台で披露 教本実演や創作舞踊も 玉城靜江の會


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玉城靜江が娘の石川智巳の髪を結い上げる「髪華」を披露=7月2日、浦添市の国立劇場おきなわ

 玉城靜江の會の公演「髪技・舞技 踊る嬉しや」(玉城流玉扇福珠会、玉木流琉装からじ結い研究所主催)が7月2日、浦添市の国立劇場おきなわ大劇場で開催された。昨年出版された、からじ結いの教本を基に、結髪や着付けの過程を実演する演目や創作舞踊などを披露。門下生らは技や心の継承をテーマに、多彩な舞台を展開した。

 公演は玉城流玉扇福珠会会主で、玉木流琉装からじ結い二代目宗範の玉城靜江が手掛けた教本「沖縄舞台芸能の扮装(ふんそう)法教本 扮装(ふんそう)法 女型 男型 組踊」の出版や、道場開設45周年、古希を記念して催された。

 第1部では、教本を基に、琉球舞踊を踊る時に必要な舞台化粧、髪結い、着付けの扮装(ふんそう)法の過程を舞台上で披露した。からじ結いは沖縄の独特の技法で、通常は舞台裏で行うものだが、舞台上で見せることで、その魅力を紹介したいという思いを込めた。

 幕開けは、玉城靜江が娘の石川智巳の髪を結い上げる「髪華」で飾った。続けて門下生らが女踊りで用いる「雅結い(首里結い)」「和み結い(那覇結い)」「情結い(辻結い)」や、男踊りから若衆の「円(まー)結い」や「カタカシラ」など結髪や着付を形式化して披露。古典舞踊も上演された。

 第2部は、玉城靜江の創作舞踊集として、過去の作品や公演のために制作した新作計9題を披露した。親の心と技を「珠」に例え、娘に継承してほしいという思いを込めた創作「美珠(びじゅ)」を玉城と石川が親子で見せた。辻遊郭で生きる運命に翻弄(ほんろう)された女の悲しみを描いた「辻に咲く花」(稲嶺美歩)や、村娘が鮮やかな羽衣を身にまとい、時を経てわが子の将来を祝福し昇天する姿を描いた「羽衣舞(ういまい)」(東江裕吉、赤嶺佑果実)など多彩に披露した。

 フィナーレは「スンガー節」「与那国ぬマヤー小」で構成する「打ち鳴らち遊ば」を13人の踊り手が躍動感のある群舞をにぎやかに披露して締めくくった。
 (田中芳)