FC琉球、山形と2-2で引き分け 「“神”バハル」終了間際のPK阻止


社会
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 サッカー明治安田J2第32節第1日の20日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでモンテディオ山形と対戦し、2―2で引き分けた。琉球は前半9分、右サイドから上原牧人がクロスを送り、阿部拓馬が左足で先制のゴールを決めた。後半19分に失点するが直後の20分、武沢一翔による左サイドからのクロスを人見拓哉がヘディングで相手ゴールに押し込んだ。しかし後半36分に同点とされた。通算成績は6勝16敗10分けで勝ち点28、順位は最下位22位のまま。次戦は27日、ケーズデンキスタジアム水戸で水戸ホーリーホックと対戦する。

(2)タピスタ(山形1勝1分け)
琉球 6勝10分け16敗(28)
 2―2(1―0,1―2)
山形 12勝10分け9敗(46)
▽得点者 【琉】 阿部(3)人見(3)【山】 デラトーレ2(9)
▽観客 3392人

 【評】琉球は前半で先制し流れをつかんだ。ボールを支配する時間は山形が長かったが、堅実な守備で自由なプレーをさせなかった。後半は同点とされた直後にやり返す。しかし次第に運動量が落ち、再び追い付かれた。ロスタイムで相手にPKを与えるが、ダニー・カルバハルの好守で引き分けにとどめた。


 先制し、追い付かれても勝ち越した展開に3392人の観客は2連勝を期待したが、結果はドロー。だが後半ロスタイムにGKダニー・カルバハルがPKを止めるプレーに会場は沸いた。終了間際のPK阻止は2試合連続。サポーター間で「神バハル」と評される好守備で、辛うじて勝ち点1をつかんだ。
 

琉球―山形 後半、PKを好セーブする琉球のGKダニー・カルバハル=20日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 攻撃の要FWサダム・スレイを欠く中、前半から相手にボールを保持されるが、集中力で強度の高い攻守を展開した。9分はDF上原牧人が相手守備の整う前にクロスを送り、FW阿部拓馬が左足でゴールに流し込み先制。守っては、決定的シュートを打たせなかった。

 後半に同点とされるが、直後にMF人見拓哉が頭でゴールへ突き刺し流れを取り戻す。しかし次第に集中力を欠き、相手にスペースを突かれて再び追い付かれた。疲労が出る後半で、前半のような攻守を維持できない課題が出た。

 相手PKは感覚通りの方向にボールが来たというカルバハル。「勝つチャンスがあり、悔しさが残るゲームだった」と受け止めつつ、「J2になんとしても残留するように全力を尽くす」と自らを奮い立たせていた。

 (金良孝矢)


後半ゴールしきれず

 ナチョ・フェルナンデス(琉球)監督の話 前半は相手を上回ったが、セットプレー以外はチャンスがつくれなかった。後半はいいスタートができ、大きなチャンスを迎えたが、ゴールしきれなかった。ミスを改善し、ハードワークしないといけない。
 

後半で力出せた

 ピーター・クラモフスキー監督(山形)の話 前半のパフォーマンスは残念だったが、後半で自分たちのものを出すことができて戦えた。相手は終盤に疲れてエネルギーを消耗し、いいチャンスや場面をつくれた。しかし勝ち点1で残念に思っている。