選挙戦初日から県内各地を駆ける 候補者3人、訴えに力 沖縄県知事選


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【左から】スキンシップで支持を訴える下地幹郎さん=25日午後6時38分、沖縄市中央。スキンシップで支持を訴える佐喜真淳さん=25日午後2時40分、宜野湾市宇地泊。スキンシップで支持を訴える玉城デニーさん=25日午後6時45分、那覇市久茂地

 県内最大の政治決戦となる沖縄県知事選が25日に告示され、17日間の選挙戦の幕が開けた。立候補を届け出た下地幹郎さん(61)、佐喜真淳さん(58)、玉城デニーさん(62)はそれぞれの決意を示す場所で第一声を上げ、選挙戦のスタートを切った。各候補者とも県内各地を駆け回って有権者と触れ合い、支持を訴えた。有権者からは新型コロナウイルス対策や基地問題など多岐にわたる県内の課題解決を求める声が上がった。(’22知事選取材班)

[下地幹郎さん]移設問題終わらせる

 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前で第一声を発した下地幹郎さん。最大争点と位置付ける米軍普天間飛行場の移設問題解決を訴え「辺野古の問題を終わらせる」と強調した。その後、白いシャツにオレンジ色の短パン姿で各地を巡った。

 午前8時半、那覇市おもろまちの後援会事務所には、オレンジ色の鉢巻きを締めた支持者たちが辺野古からの中継映像を見守り、下地さんの第一声に耳を傾けた。

 伊是名村に渡った後、今帰仁村や名護市の拝所を訪れた。下地さんは「選挙・政治の原点を確かめることができた」と語った。拝所周辺で有権者を見掛けると、直接話し掛けて支持を訴えた。

[佐喜真淳さん]普天間から市民解放

 鉢巻きとたすき、スニーカーをイメージカラーの青色でそろえ、第一声を上げた佐喜真淳さん。那覇市の県民広場で出陣式を終えると、糸満市から名護市へ北上し、支持を訴えた。

 昼過ぎには市長を務めた地元宜野湾市で演説に立った。米軍普天間飛行場の2030年までの返還を訴え「普天間飛行場の苦しみから市民を解放しよう」と声を振り絞ると、歓声が上がった。

 時間を惜しんで昼食は移動中の車内で済ませ、有権者との交流に注力した。行く先々で支援者一人一人とグータッチして回り「頑張ってね」と声を掛けられると、「ありがとう」と満面の笑みで応え、健闘を誓った。

[玉城デニーさん]新基地は絶対に反対

 玉城デニーさんは出身地・うるま市で第一声を発した。平安座島と本島を結ぶ海中道路を背にし「県民・古里のため、地に足を着けて政策を訴えていく」と誓った。

 25日は名護市に向かった後に南下し、本島中部を巡った。名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前も訪れ、抗議で座り込む人々に「辺野古は絶対に反対だ」と力を込めた。集まった人たちは玉城さんに花束を贈って激励した。

 夕方に那覇市に戻り、出発式を開いた。支持者のほかに帰宅途中の会社員なども行き交う中で再選に向けて110の公約を掲げたことを紹介。「2期目にその仕事をさせてほしい」と訴えた。