琉球の至芸、赤坂迎賓館で披露 復帰50年記念、古典音楽と舞踊の鑑賞会


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赤坂迎賓館で琉球芸能の奥義を初上演する山内昌也さん(右)と西村綾織さん=26日、東京都港区

 【東京】沖縄の日本復帰50年を記念した琉球古典音楽と舞踊の鑑賞会が26日、東京都港区の赤坂迎賓館で開かれた。県立芸大教授で野村流・湛水流師範の山内昌也さんが「かぎやで風節」と「ヂャンナ節」を演奏した。迎賓館和風別館の畳敷きの気品ある主和室で、一般参加者が琉球文化に触れた。

 舞踊は玉城流喜納喜利の会師範の西村綾織さんが女踊「かせかけ」を披露した。足の運びや、手と指の所作などに独特の技法がある踊りに参観者が見入った。

 鑑賞会は和風別館ガイドツアーに琉球古典音楽と琉球舞踊の鑑賞会を加えた特別ツアーとして開催された。迎賓館での琉球芸能の鑑賞機会は今回が初めて。1日3回の鑑賞会があり、1回当たり20人が参加でき、28日までの3日間上演された。

 初日3回の上演をした山内さんは「国の最高峰である迎賓館の空間の理念と、私たちの追求するものが一致し実現した」と説明。「沖縄のおもてなしである現代の『うとぅいむち』が再現できたのではないか」と意義を話した。

 西村さんは「畳のすり足といった小さな音も聞こえる、この空間ならではの味わいを感じてもらえればと思う」と語った。

 首里城の今後の再建を見据え、山内さんは「北殿、南殿が再建され、その中で今回の迎賓館での取り組みと同じ上演ができ、それが質の高い観光につながるという県への一つの提言になると思う」と話した。

(斎藤学)