【台風11号】発達のメカニズムと今後の進路は? 高い海水温で急速に発達、沖縄に再接近の予想も 気象台「最新情報の確認を」


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 猛烈な台風11号が沖縄地方に接近中だ。31日以降もさらに発達する見込みだが、進路が不安定なため備えも難しくなっている。本島の南にそれた後、北上して再接近すると予想されていて、影響が長期化する恐れもある。不確定要素が多く、沖縄気象台は細心の注意を呼び掛けている。

 非常に強い勢力で沖縄地方に接近している台風11号は、28日午後3時に小笠原諸島近海で発生し、急速に発達している。沖縄気象台によると、強い勢力に発達した要因として海面水温の高さが影響している。日本の南や沖縄近海の海面水温は30~31度と高く、沖縄地方周辺海域では平年より1~2度高くなっていることから、より多くの水蒸気を吸収して発達したとみられる。

 台風の進路予想について沖縄気象台は「不確実性が大きい」としている。台風は上空にある高気圧のへりに沿って西に進んでいるが、31日以降は高気圧が東西に割れるため、進路が定まらない状況になるという。

 30日時点の予想では、台風は沖縄本島地方に接近して、2日にかけて勢力を保ったまま南下して停滞し、3日には再び北上する見通し。

 31日昼過ぎには沖縄本島地方に暴風警報が発令されたが、台風が南下して風が弱まると一度解除される可能性がある。その後、北上して再び沖縄地方に接近すると暴風警報を発令する見込み。沖縄気象台予報課の金城康広課長は「暴風や警報などの予想が急に切り替わることもあるので、最新情報を確認してほしい」と話した。
 (中村優希)