ウーバージャパン(東京都)と県内のタクシー会社19社が提携し、1日から那覇市内で配車サービス「ウーバータクシー」を開始する。同社がタクシー配車を展開するのは国内15カ所目で、県内では初めて。訪日外国人観光客の受け入れが再開する中、手軽に使えるアプリを通じてタクシーを利用する観光需要の取り込みを図る。乗務員不足が深刻なタクシー各社は、同社との連携で営業効率と収益を上げ、人員確保にもつなげたい考え。
同社のサービスは専用アプリで行きたい場所を指定すると、近くのタクシーとマッチングして利用者を迎えに行くシステム。配車時におおよその料金が表示され、カードやアプリで支払いができる。車両500台を導入する。
30日に会見したウーバージャパンの山中志郎ゼネラルマネジャーは、「沖縄はインバウンドも含めて来訪者が多い上に車社会で、市場のポテンシャルが高い」とし、那覇市以外の地域でも順次サービスが提供できるよう、事業拡充していく意向を示した。
提携したひまわりタクシーの泉川寛市専務は、新型コロナの影響で昨今は観光客が激減し、乗務員の生活も厳しくなったとして「知名度のあるウーバーと連携することで需要拡大を図りたい」と意気込む。第一交通産業沖縄地区の後藤勝義社長も、燃料価格の高騰もありタクシーの流し営業は今まで以上に非効率的になっていると指摘。「将来的にアプリ配車だけで営業できれるようになれば収益も上がり、若い人員の確保にもつながるはずだ」と期待を寄せた。 (当銘千絵)