珊瑚舎スコーレが北海道にフリースクールを計画 25年の開校目指す 沖縄の学校法人・雙星舎


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雙星舎が、北海道で2025年4月開校を目指しているモシリナァスコーレの将来図(雙星舎提供)

 南城市でフリースクールの珊瑚舎スコーレ高等部を運営している学校法人雙星舎(そうせいしゃ)が、北海道に私立の中等部、小学生対象のフリースクール、義務教育未修了者ら対象の夜間中学校を備えた学校を設立しようと準備を進めている。すでに用地購入は済んでいて、2025年4月開校を目指し、必要な資金や職員らを集めている。

 場所は札幌市と小樽市にまたがる。雙星舎代表の星野人史さんは、「かつてつくられ、今は奪われようとしているその土地の歴史や文化、言語を教材とし、日常生活の中で体験的に学べる場所が必要」という思いから、先住民アイヌに関する授業を学校の最大の特色とする。学校名は「モシリナァスコーレ」。モシリはアイヌ語で大地、ナァは沖縄の方言で庭を意味する。小中・夜間はそれぞれ、1クラス14人定員の3学級編成を予定している。23年4月末までに学校設置計画書を道庁担当課に提出し、受理されれば校舎建設に取りかかる。校舎建設費は約3億5千万円。

 20年の国勢調査では、最終学歴が「小学校卒業」の義務教育未修了者は全国に80万人超いて、最多の北海道は5万4286人いることが分かっている。沖縄は1万5938人。

 星野さんは小中等部のフリースクール、自主夜間中学を運営するNPO法人珊瑚舎スコーレの代表でもある。現在さまざまな事情でフリースクールを選択した人たちだけでなく「過去に戦争や差別を受けて学校に通えなかった義務教育未修了者もたくさんいる。北海道、沖縄はとても顕著だ」「日本の北と南から、新しい学校観を持って日本の教育を変えていきたい」と話している。

 雙星舎はモシリナァスコーレ開校を目指し、寄付金を募っている。個人は一人一口1万円から、団体・法人は一口3万円から。琉球銀行与那原支店、口座番号700045(普通預金)。「モシリナァスコーレ設立準備会 会長星野人史」名義まで。問い合わせは珊瑚舎スコーレ(電話)098(975)7781。
 (嘉数陽)