嘉手納元駐機場への格納庫移設の撤回求める 嘉手納町議会が抗議決議と意見書可決 防衛局に意見書手渡す


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嘉手納基地内の防錆整備格納庫の移設計画の撤回と文化財調査の中止を求め、沖縄防衛局の小野功雄局長(右)に意見書を手渡す嘉手納町議会の仲村渠兼栄議長(左)=31日、嘉手納町の沖縄防衛局

 【嘉手納】沖縄県嘉手納町議会(仲村渠兼栄議長)は8月31日、米軍嘉手納基地の元駐機場「パパループ」地区への防錆(ぼうせい)整備格納庫移設計画を巡り、建設予定地付近で実施されている文化財調査の中止と、移設計画の撤回を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。同日、沖縄防衛局の小野功雄局長に意見書を手交した。

 文化財調査は8月上旬から作業の様子が確認されている。町議会で可決された抗議決議と意見書は、「町や議会、町基地対策協議会が計画の即時撤回を求める中、移設を前提とした文化財調査の開始は言語道断」として調査の即時中止と計画の撤回を求めた。

 同日、仲村渠兼栄議長や基地対策特別委員会の當山均委員長らが沖縄防衛局を訪れ、意見書の内容を要請した。冒頭のみ公開され、小野局長は「(現地の米軍からは)現時点で特定の施設建設の着手を示すものではないと説明を受けている」とした上で、問題解決に取り組むとした。

 當山委員長は要請後の取材に応じ「(解決に向け)期待できる発言はなかった」と述べた。今後の動きについて「具体的なことは決まっていないが、委員会では町民大会に関する議論も出ている」とした。

(名嘉一心)